こんな時どうする?底地・借地にまつわる【ご相談事例】

こんな時どうする?底地・借地にまつわる【ご相談事例】
わたしたちニーズ・プラスは、底地・借地のご相談で、日々、地主さん、借地人さんとお会いしています。

底地・借地関係を解消したほうが経済的メリットは大きいことは、みなさんよくご理解されています。その一方で、さまざまな事情や思い入れから、なかなか底地・借地関係を解消できないのが実情です。

思い切って行動を起こし、底地・借地問題を解決に成功した方々の事例をご紹介します。
数ある事例の中でも、よくあるご相談内容をまとめました。ぜひ、ご参考いただければと思います。

【地主さんの事例#1】悩ましい底地・借地関係を解消し、手元資金を増やしたいが…

地主さんの事例#2
最初にご紹介するのは、底地を複数保有し、相続税対策に頭を悩ませている地主さんからのご相談です。

大谷家は、東京・文京区の地下鉄沿線一帯の大地主でした。正明さんはその分家で、自宅のほか周辺に2軒の底地を保有しています。

そもそも正明さんは40代半ばで、100坪の家屋敷と底地を相続しました。その後、バブル経済の地価が高騰。現在はそのピークから下がったとはいえ、バブル崩壊後も自宅の地価は坪200万円を超える状態にあります。

このままの状態では息子さんが負担する相続(税)の負担が大変になると考えた正明さん。15年前に相続対策として自宅を賃貸マンションに建て替えました。4階建てのマンションの1階に正明さん夫婦、2階には息子さん一家が住み、3階と4階は賃貸にしています。

こうして自宅の相続対策は準備万端整えた正明さんですが、まだ解決していない悩みがありました。それが…

安い地代、トラブル対応など大変な底地

自宅の相続対策については準備した正明さん。一方、底地の処分は手つかずの状態でした。正明さんが先代から引き継いだときは、8軒の底地がありましたが、マンション開発目的などで買いたい業者が現れるたびに売却してきました。

その結果、現在は自宅の周辺の2軒の底地を残すのみ。底地は地代が安く、収益性が悪いことはわかっていましたが、もともと高齢の夫婦には、それほどお金が要るわけではありません。

底地売買の取引にあたっての面倒な手続きが億劫で、「いつかは売りたい」とは思いつつも行動を起こさないまま時間だけが経過してしまったのです。
安い地代、トラブル対応など大変な底地
そんなとき、ある事件が起きました。近所に住む借地人さんが「隣の家の生け垣が境界線を超えて伸びてきた。邪魔でたまらない。何とかしろ」と文句を言ってきたのです。

応対した妻の富美子さんは耳が遠く、話がよく聞き取れません。2階に住む長男のお嫁さんに対応を頼んだものの、お嫁さんは「借地はお父さんの名義ですから、そちらで対応お願いします」と冷たい態度です。

結局、富美子さんが隣の家に電話を入れ、直接隣り同士で解決するようお願いし、トラブルはようやく一段落。

「大した地代ももらっていないのに、底地のトラブル対応に追われるのは大変。夫が元気なうちに、底地の問題は解決してもらおう」と、富美子さんは密かに底地売却を決意したのでした。

底地を処分したいが、すぐには判断できない複雑な悩み

底地は処分したいが…
わたしたち(ニーズ・プラス)が大谷さんのお宅を訪ねたのは、それから間もなくでした。

大谷さんの底地は以下2軒です。
1:自宅からすぐそば(約30坪)
2:国道沿いの商業地(約20坪)

今回、わたしたちは「2軒まとめて底地を購入させていただきます」という提案をしました。

奥さんの富美子さんは、以前のトラブル対応の件もあり
「底地の対応で面倒なことはイヤ。まとめて買ってもらいましょう。」と積極的です。

ところが、ご主人の正明さんは
「うーん、底地を処分したいとは思っているが、今回はじっくり考えたい。底地とはいえ、残った土地は、もうこれだけだから…」と決断しかねているようでした。

底地を保有することで得る地代の収入は微々たるもの。ただ、先祖代々引き継いだ土地を手放すのは、単なる損得だけでは判断できません。

「底地を処分すると、ご近所で何て言われるかわからないぞ。大谷の分家はお金に困って売ったなんて噂が立つのだけは絶対に困る」-悩んだ末、正明さんは底地の処分を見送りしました。

お客様の悩みをよく聞き、信頼関係を構築

信頼関係を構築
それからまた1年ほど経過したある日、正明さんから一本の電話がきました。どうやら底地を整理する決心がついたようです。

正明さん:
「あれから不動産業者がやってきて、底地を売ってくれとうるさいんだよ。提示する金額もいろいろ出てきているから、高く買ってくれるところに売却しようと思っている。妻と息子にできるだけお金を残しておきたいからね」

わたしたち(ニーズ・プラス)としても、買取金額だけの比較で優位性を出すことは難しそうだと思いました。

そこで、底地を買い取った後、借地人に対してどれだけ丁寧に対応をするか、どれだけ付随する面倒な手続きを引き受けるかという点も評価して、買取業者を総合的に判断してもらうようお話をしました。

地主さんにとって、底地を売るとういうことは、第三者が住んでいる土地をそのまま売ってしまうことです。地主さんと借地人さんのお付き合いは長いです。自分が底地を手放した後、借地人さんが立ち退きせざるを得ないような圧力がかかったり、色々トラブルが起こることを大変恐れています。

今回の事例のように、自宅と近い場所の底地があればなおさらでしょう。そうした懸念を払拭できるよう、わたしたちは大谷さんご夫婦との信頼関係構築に努めました。その結果、2軒の底地は、わたしたちが買い取ることになりました。

底地を一括売却、手元資金が増え安心

底地を売却、手元資金が増やす
懸案だった底地の整理をすべて終え、大谷さん夫婦はほっとしたと言います。

正明さん:
「代々の土地を息子に相続するためには、何しろ相続税が心配でした。今回、まとまった現金に換金できて、なんとも心強い気がしますよ。これで息子に遺すべきものはすでに渡しました。あとどれくらい元気でいられるかわからないけど、これからは自分たちの楽しみのために時間を使いたいと思います。ありがとう」

長年の心配事が解決した、正明さんの明るい笑顔が心に残りました。

ポイント

相続税の支払いには現金が必要です。相続対策として、収益性の低い底地を保有するのは得策ではありません。相続問題を次世代へ先送りせず、具体的な数字をシミュレーションしながら、底地の整理について検討してみてはいかがでしょうか。ニーズ・プラスは、お客様の個別の事情に配慮しながら、最善のご提案をさせていただきます。

【地主さんの事例#2】自宅からマンションに住み替えたい!でも底地の売却が難しく…

地主さんの事例#1
2つ目にご紹介するのも、地主さんからのご相談です。いったい、どんなご相談なのでしょうか。さっそく続きを見ていきましょう。

高橋エツ子さんは81歳、現在は息子さんと2人暮らしです。東京・練馬区のJR駅から徒歩3分という好立地の一戸建てにお住まいです。

自宅は築40年の2階建て。高齢で膝の痛みに悩むエツ子さんには、階段の上り下りが辛く、ここ数年、自宅を売却しマンションに住み替えたいと思っています。

ところが…
自宅の並びが底地(貸地)で6軒の借地人さんが住んでいます。それが気になって住み替えができずにいるのです。

エツ子さんの希望と悩み

エツ子さんの希望と悩み
エツ子さんの本音で言えば、現在の自宅と底地をまとめて売却したい。しかし、借地人さんからの反発が心配です。

というのも、3年前にご主人が亡くなった際、予想外の相続税が発生。納税のための現金がなく、保有していた底地の一部を売却し現金化しました。

ところが、この底地売却に対し、借地人から「人でなし!」と罵倒され、非常に嫌な思いをしたのです。

「でも、日常の生活が不便だし、何とかしなくては…」と、エツ子さんはそう思いながら、悶々とした日々を過ごしていました。

エツ子さんの本音

エツ子さんの本音

エツ子さん:
「今の土地は、もともと高橋家で代々受け継いできた土地。借地人さんも長い間、ずっとこの並びに住んでいます。借地人さんとは良い関係でお付き合いできており、底地を売却して、借地人さんたちに不便があっては申し訳ないです。そう思うと、積極的に底地を売りたいとはなかなか言い出せなくて・・・」

「でも、今の自宅は古くて、本当に住みにくい。階段が辛くて、2階があっても使っていません。1日も早く引っ越したいのが本音なんですね」

「最近のマンションは冷暖房がしっかりしているし、何でもボタン一つで便利でしょう?少しでも元気なうちに、快適な生活がしたいんです」

底地と自宅の売却し、マンションの買い替えを実行

底地と自宅の売却し、マンションの買い替えを実行
エツ子さんの希望と悩みをお伺いした後、わたしたち(ニーズ・プラス)は以下の提案とお手伝いの申し出を行いました。

1:底地を売却する
2:自宅も売却し、希望に合うマンションに買い替える

エツ子さんは、底地を売却すること自体に迷いはありませんでした。それからは息子さんと二人で次に購入するマンション選びのほうに熱が入りました。

こうして、わたしたちの使命は、底地売却のサポートに加え、自宅をできるだけ高く売り、気にいったマンションに買い替えるお手伝いをさせていただきました。

◆具体的な提案

現在の自宅は約25坪。時価は坪当たり170万円くらいなので、4,250万円くらいで売却できそうです。

150坪ある底地は、わたしたち(ニーズ・プラス)が4,000万円で買い取りたいと提案。底地は取得価格が不明のため、売却価格の5%が取得費として認められるだけで、95%が「不動産譲渡所得」となり、20%の所得税がかかります。底地の売却代金はこれから先の生活費としてある程度は残しておきたいところです。

自宅の売却価格(約4,250万円)はそのままマンション購入費用に回し、同じ練馬区で中古マンションを探しました。10戸くらい見て回った末、ようやく納得できる物件が見つかりました。

「本当にありがとう。これからは快適な暮らしができるわ」と言って、エツ子さんの親子は喜んで引っ越して行きました。

ポイント

今回エツ子さんのケースでは、わたしたち(ニーズ・プラス)の本業である底地の買い取り以外に、自宅の買い換えもサポートしたことに関して、ご満足いただけたようです。

ニーズ・プラスは、底地整理だけでなく、相続(税)に関するご相談をはじめ、底地・借地にまつわるお客様の悩みをトータルでサポートします。ぜひ、ご気軽にお声がけください。

【借地人さんの事例#3】空き家のまま地代を支払い続けるより、借地関係を解消したいが…

借地人さんの事例#3
わたしたち(ニーズ・プラス)が世田谷区で購入した底地の中で、馬場さん(借地人)という何度挨拶にうかがってもお留守の家がありました。地主さんのお話では、地代はきちんと毎月振り込まれているとのこと。一体どうしたものかと、不思議に思っていました。

それから2ヶ月ほど経過したある日。よくやく家の人に会うことができました。どうやら借地人さんの息子さんのようです。弊社担当者が底地を買い取りしたことを説明しました。

空き家のまま地代を支払い続ける息子さんの悩み

空き家のまま地代を支払い続ける息子さんの悩み
以下、息子さんとわたしたちのやり取りが続きます。

息子さん:
「何度も来ていただいたんですね。申し訳ありません。ぼくはここの息子です。実は半年前から父が認知症の施設に入り、母は私の家に引き取りました。ですので、こちらの家には、今、誰も住んでいません。ときどき、こうして部屋の空気を入れ替えに来ているわけですが…」

ニーズ・プラス:
「そうでしたか。それで納得しました。いつもお伺いすると不在でしたので。家の管理、大変ですね。お住まいはお近くですか?」

息子さん:
「ええまあ。ここから電車で約20分程度です」

ニーズ・プラス:
「これからこのお宅はどうされるのですか。借地権をお持ちで、毎月の地代もお支払いいただいていますし、このままではもったいないでしょう」

息子さん:
「そうなんです!でも、このまま空き家にしておくのはよくないと思いますが、わたしは結婚して別の家があるので、いまさらここに住む必要がないんです。人に貸すといっても、こんな古い家では借り手もいないでしょうし…」

「ただ、地代はちゃんと払っておかないと借地権の権利がなくなると聞いています。だから、これまでズルズルと地代だけは支払い続けている状況なんです。借地というのは、権利を人に売ったりできるのでしょうか?」

ニーズ・プラス:
「借地権を買いたいという人がいれば、もちろん売れます。ただ、借地権を購入しても地代は払い続けなくてはいけないので、あえて(更地ではなく)借地権を購入する人を探すのは難しいでしょう。もちろん、安ければ買いたいという人はいますが、息子さんにとってはいい話ではありませんね。」

「ここは借地権割合が70%。税務署の評価では更地価格の70%が借地権の価格になりますが、実際にはとてもその値段は売れないでしょう。」

息子さん:
「借地権を売るにしても、だいぶ難しそうですね…。」

空き家のまま地代を払い続けるのは無駄だと知りつつ、借地権を第三者に売却するのも難しいようです。一体、どうすればいいのでしょうか?

底地権と借地権の【同時売却】を提案

底地権と借地権の【同時売却】
そこで、わたしたち(ニーズ・プラス)は、以下の提案を行いました。

ニーズ・プラス:
それより、借地権だけではなく底地権を購入し、土地を100%の所有権にしてから(更地として)売却されたほうがいいですよ。この場所で更地なら、坪100万円以上で売れそうだし、買い手も見つかると思います」

息子さん:
「うーん、底地権を購入するとなると、それなりのまとまったお金が必要でしょう。自分の家も住宅ローンの返済中なので、とても底地を買い取るお金なんて出せません。それより、ニーズ・プラスさんが地主になられたのなら、なんとかよい条件で買い取ってもらえませんか?」

ニーズ・プラス:
「もし本当にこの家はもう要らないということでしたら、わたしたちと一緒に、つまり底地権と借地権を一緒にして100%所有権の土地として売却するというのはいかがですか?売却代金はわたしたちと分ける形になりますが、そのほうが手取り金額も多くなると思いますよ」

息子さん:
「それはありがたい話です。母と一緒に詳しいお話をお聞きしたいので、今度わたしの家に来ていただけませんか」

借地関係を解消し、ひと安心

同時売却で借地権解消
話し合いの結果、馬場さんの家は更地にし、借地人である馬場さんと弊社とで一緒に売却することになりました。

今回の事例のように、借地人さんと地主さんもその土地は要らないという場合、地主さんと借地人さんが協力して一緒に第三者に売却するという方法もあります。

空き家となった自宅を、借地というだけでズルズル地代の支払いを続けていた息子さん。今回、借地権を無事解消でき、ひと安心されたようでした。

ポイント

今回のように借地に住む人がいない場合、借地人さんが底地を買い取り、家を賃貸して収入を得る方法もあります。確実に賃貸収入が見込めるなら、底地購入のローンを組み、賃貸収入で返済していくことができます。

せっかく借地権があるなら、底地を買い取るだけで(100%所有の)土地が手に入ります。借地権の解消のために、さまざまな選択肢を検討してみる価値はあります。

馬場さんのように、借地権はその土地を使わなくても、権利を維持するだけで地代を払い続けることが必要です。

地代の支払いは無駄な出費です。借地人さんにとっても、代がわりのタイミングは借地関係の解消を検討するよい機会です。ぜひ早めに今後の方針を考えてみましょう。

【重要なお知らせ】底地・借地・相続の件でこんな悩み・不安はございませんか?

底地・借地・借家のよくあるお悩み
このように、底地・借地を所有する地主さん、借地人さんの悩み・不安は尽きません。そんなときは、一人で悩むより、底地・借地の問題に精通した専門家に相談してみませんか。

ニーズ・プラスは底地・借地・借家のプロフェッショナル。豊富な実績と経験から、あなたに最適な解決策をご提案させていただきます。

これまで多くの地主さん、借地人さんのご相談を受け、アドバイスしてきました。
以下、ほんの一例ですが、ご相談者の声をご覧ください。


いかがでしょうか。
ご相談は無料です。電話でもメールでもご相談承ります。

底地・借地の件でお悩み・不安等ございましたら、どんな些細なことでも結構です。ニーズ・プラスへ、ご相談ください。

皆さまのお役に立てることを、スタッフ一同、心よりお待ちしております。

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