徹底解説!地代の支払いVS底地購入~どちらがお得?【イラストでわかりやすく】
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一般的に借地人さんは、非常に安い地代で長期間にわたり土地を使用することができます。
とはいえ、そのまま借地のままでは、所有権はあくまで地主さんです。借地のまま地代を支払い続けるほうがいいのか。それとも、底地を購入し土地を所有したほうがいいのか。今回ご紹介する借男さん親子も、今後の資産運用について頭を悩ませているようです。
さてさて、一体、どちらが得なのでしょうか…ぜひ最後までご覧ください!
【参考記事】
地代を払い続けるのと底地購入、どっちがお得?
登場人物
土地 借男さん・すみ子さん
借地人のご夫婦。土地は所有せず、長く借地を利用している。
土地 太郎さん
借地人ご夫婦の長男。離れて暮らす両親を心配している。
ニーズ・プラス
底地・借地・借家のプロフェッショナル
どちらがお得?
お父さん、家は借地だよね。毎月いくら、地代を支払っているの?
土地 太郎さん
地代?ああ、地代は安いよ。昭和の時代に契約したから、月4万円のまま。本当、助かるよ!
土地 借男さん・すみ子さん
うーん、いくら安くても、借地のまま地代を支払い続けることは、本当にいいこと?
借地で困ることってどんなことかな…?土地 太郎さん
ニーズ・プラス
息子さんの疑問はごもっともです。
・借地で借り続ける
・底地の購入どちらが得するのか?
とても興味がありますよね!
ニーズ・プラスさん!そうなんです!
・借地で借り続ける
・底地の購入どちらが得か、解説してもらえませんか?
土地 太郎さん
ニーズ・プラス
承知しました。それでは例をあげて、解説してみましょう。
ぜひ、最後までお付き合いください!
うーん、地代のままの支払いのほうが得だと思うけどなぁ…
土地 借男さん・すみ子さん
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息子さんと、借男さん、どうやら意見が違うようです。
・借地で借り続ける
・底地の購入どちらが得なのでしょうか?
さっそく、ニーズ・プラスの話を聞いてみましょう…(続く)
支払い額の総額を試算してみると…!
ニーズ・プラス
簡単な例から、支払い額の総額を試算してみましょう。
以下の条件で土地を借りて、家を建てて住んだ場合、地代はいくらでしょうか?・時価:100万円/坪
・坪数:40坪(借地権割合60%)
・地代:1,000円/坪
地代が1,000円/坪の40坪ですから
・4万円/月
・48万円/年
になります。土地 太郎さん
ニーズ・プラス
そうですね!
このまま20年間、住み続けると?
960万円/20年!
まぁ、20年も住めばそれぐらいかかりますね。
結構、払うことになるんだなー。土地 借男さん・すみ子さん
ニーズ・プラス
いえいえ。借地のままですと、地代以外のコストもかかりますよ。
え!そうなんですか?(驚く息子)
土地 太郎さん
ニーズ・プラス
はい。実は多くの方が見落としがちですが、借地人さんが負担するコストは地代だけではありません。それは…
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心配そうな息子。驚く父。話の続きに興味津津の様子です。(続く)
「えっ!借地人が払うのは地代だけじゃないの?」
ニーズ・プラス
旧借地法による借地契約の契約期間は原則30年。更新後は20年です。
更新期限がくれば地主さんから更新料を請求されます。更新料は、更地価格の3%程度に落ち着くことが一般的です。
今回の例だと、更地価格が4,000万円。
更新料は120万円になりますね。土地 太郎さん
●ポイント1:地代の他に更新料。更新料は更地価格の約3%が目安
ニーズ・プラス
さらに、長く住めば、家の建替え・改築の必要も出てくるでしょう。
建替えや大改築をするときには地主さんの承諾が必要です。さらに承諾料は
・木造:更地価格の3%前後
・鉄筋:更地価格の8~12%前後が目安となります。
今回の例で、4,000万円の土地に木造の家を建て替えると、承諾料は120万円もかかるのですね!
土地 借男さん・すみ子さん
●ポイント2:家の建替え・改築には承諾料もかかる
ニーズ・プラス
承諾料を支払わないと、そもそも地主さんの承諾が得られません。建物の老朽化が進み、建物を壊したまま放置すると、契約更新の時に地主さんに拒絶される可能性があります。
しかも、住宅ローンが組めない可能性も高くなり…
うーん、そう考えると、借地の安い地代のままでいいとも言えないな。でも、底地を購入するとなると、お金の負担も大きくなりますよね?
土地 借男さん・すみ子さん
ニーズ・プラス
いいえ、実はそうでもないのです。
実際に同じ条件で試算してみましょうか?
はい!ぜひ、お願いします。
土地 太郎さん
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底地を購入するとどうなるか。
底地の購入は、金銭面でハードルが高そうな感じもします…(続く)
底地の購入価格を試算してみる
ニーズ・プラス
先ほどの例を再度整理しておきましょう。
・時価:100万円/坪
・坪数:40坪(借地権割合60%)
・地代:1,000円/坪
・契約期間:20年間で更新1回
・建て替え:1回以上の条件で、20年間で借地のまま支払う金額は
地代総額960万円+更新料120万円+建築承諾料120万円=1,200万円
となります。
ニーズ・プラス
一方、底地を購入する場合、
更地価格4,000万円の40%=1,600万円
が目安になります。
つまり、1,200万円に少し足せば、底地を購入できるわけですね!
土地 太郎さん
ニーズ・プラス
そうです。底地を購入する場合、住宅ローンが利用できます。
頭金400万円が用意できれば、残額は1,200万円(1,600万円-400万円)
毎月の地代とほぼ同じ負担額で底地購入のローンが組めます。
(母・すみ子さん)
ローンの金利が気になります。(お金の管理に強い奥さん。心配のようです)土地 借男さん・すみ子さん
ニーズ・プラス
金利が低い今なら、35年間変動金利で年利0.7%の好条件でローンを組めることも珍しくありません。
・変動金利:0.7%
・返済期間:35年の場合、月々の支払いは地代と毎月43,000円の返済額で済みます。つまり、地代がなくなるので3,000円プラスで購入可能になる計算です。
●ポイント3:底地を購入しても負担額は、あまり変わらない
なるほど。更新料と承諾料の合計が240万円。
少し足して400万円の頭金が準備できれば、ほぼ地代と同額で底地を購入できるわけですね!しかも、底地より自由に扱える土地になるし、メリットは多い。
土地 借男さん・すみ子さん
仮に頭金ゼロなら、どうでしょうか?
土地 太郎さん
ニーズ・プラス
頭金ゼロの場合も試算してみましょう。
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底地購入も地代の支払いとあまり変わらないことがわかり、一安心の借男さん親子。
できれば、頭金ゼロで底地購入したいようです。結果は…(続く)
頭金ゼロで底地購入する場合は?
ニーズ・プラス
住宅ローンの条件は先ほどと同じ、以下の条件とします。
・金利:1.2%
・返済期間:30年この場合、
底地購入資金1,600万円を全額ローンで組むと
毎月の返済額は約53,000円となります。
地代支払い:4万円/月
底地購入:5万3,000円/月頭金ゼロの場合、+13,000円程度の増額で底地購入できるわけですね!
土地 太郎さん
むむ!これなら底地購入も、じゅうぶん現実的な話だな。
土地 借男さん・すみ子さん
底地を購入した場合と、借地のまま地代を支払い続けた場合、
支払総額の比較をグラフに示すと以下のようになります。
そうか!こうして試算してみると、だんだんわかってきたぞ。
土地 太郎さん
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いよいよ狩夫さん親子も、納得できたようです。今回のお話をまとめてみましょう!(続く)
いよいよ底地購入を検討する
・借地で借り続ける
・底地の購入どちらが得か?
今回の説明で、よく比較ができました!土地 太郎さん
ニーズ・プラス
(上の損益分岐表を指さしながら)支払う金額の総額を比較してみると、長く住み続けるほど借地の優位性は下がります。
確かに地代は安い。でも、長い目で見れば、必ずしもそうとはいえませんね。借地はずっと借地。自分のものではない。
土地 借男さん・すみ子さん
ニーズ・プラス
その通りです。底地を購入すると、ローン返済後は、月々の負担はなくなります。
しかも、借地場合、売却しようとしても、地主さんの許可が必要ですし、売却額の10%は譲渡承諾料が必要です。が、底地を購入しておけば、売却はいつでも自由です。
また、借地権で売却しようとしても、4000万円の60%、2400万円で売却できるかどうかは不安定です。
なぜでしょうか?
土地 借男さん・すみ子さん
ニーズ・プラス
なぜなら、借地権の購入者はローンを組もうとしても満額は難しく、頭金をある程度用意する必要があります。ですので、借地は評価通り売却しづらいのです。
ご自身が所有している借地権の価値を確定させる意味でも、底地を購入することは有効と思います
なるほど!
土地 借男さん・すみ子さん
父さん、底地の購入、検討してみたら?
土地 太郎さん
そうだね。ニーズ・プラスさん、ちょっと相談にのってもらえますか?
土地 借男さん・すみ子さん
ニーズ・プラス
もちろんです。最適なご提案をさせていただきます!
…底地の購入を検討する狩夫さん親子。将来に向けて、前向きな話ができそうです(終)
ニーズ・プラス
ニーズ・プラスは、東京や千葉、埼玉、神奈川を中心に、数多くの底地・借地物件を取り扱い、豊富な実績とノウハウを有しています。
弊社が地主さんと借地人さんの間を取り持ち、底地・借地にまつわる多様な知識を生かしながら、複雑化してしまったトラブルをスムーズに解決へと導きます。
ニーズ・プラス
お客様ひとりひとりとじっくり向き合い、お客様からご要望をお伺いした上で、内容に沿った最善の解決策をご提案。
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