知っておきたい不動産相続の基礎知識
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相続コンサルタント会社ニーズ・プラス コラム編集部です。
日本人が相続する財産の約半分は不動産です。相続対策を考えるとき、カギとなるのが不動産の取り扱いです。今回は不動産の特徴である三つのポイントを解説し、不動産特有の問題点をクリアにしておきましょう。
相続の基礎知識1:不動産の評価は相対的で「絶対」は無い
第一に、不動産の評価にはさまざまな考え方があり、価格は絶対的なものではないという点です。
たとえば1,000万円の預金は誰が評価しても1,000万円です。上場株式も、ある時点の株価はいくらと決まりますが、金融資産の評価についてはごまかしようがありません。
一方、不動産は「一物四価」といわれ、実勢価格(実際に取引される価格)、公示価格(地価公示法による公示価格)、相続税評価額(路線価)、固定資産税評価額の四つの価格があります。この他、公示地価を補完する基準地価もあります。
相続税を計算するときの財産評価は「時価による」こととされており、その時価には相続税評価額(路線価)を使います。路線価は「ここからここまでその道路に面している土地の価格はいくら」と決めたもので、駅までの距離や土地の形など、その都道府県知事が実施する「都道府県地価調査」による実勢価格とは異なります。一般に、路線価は実勢価格の約8割の水準と言われています。
相続財産として不動産を評価する場合、路線価を基準として、道路への接し方、土地の形状などさまざまな要素を考慮することが必要です。そのやりかたは国税庁の「財産評価基本通達」で定められていますが、現実の土地は一つとして同じものはないわけですから、その基準は非常に大まかで、表かする人によって価格のブレ幅が大きいのです。そのため、相続対策では不動産の評価が非常に重要となります。
相続の基礎知識2:不動産の分割は難しい
第二に、不動産は分けにくいという点です。相続人が子ども2人で相続財産が親の自宅だけだったとしましょう。一つの自宅を2人で平等に分けるのは無理な話です。広いお屋敷なら分筆して二つの土地に分けることも可能ですが、30~40坪のマイホームを分割したのでは家が建てづらく、土地の価格が下がってしまいます。かといって、2人で共有にするのは問題の先送りでしかありません。共有したままで次の相続が起これば共有者が増える一方で、売ろうとすると全員の合意が必要になり、処分すらできなくなってしまいます。
相続人2人で、自宅のほかにもう一つ別の不動産があったらどうでしょう。子どもたちで一
つずつ、仲良く分けられるでしょうか。これがまたそうはいかないのです。
不動産は一つひとつ物が違うわけですから、当然、値段も違います。さらに、相続税評価が同じだったとしても、実際の売買価格は同じとは限りませんし、使い勝手も異なります。
相続税評価が高いほうの不動産を相続したからといって、本当に得をしたかどうかはわかりません。
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相続の基礎知識3:不動産は換金しづらい
第三に、不動産は換金しづらいという点です。相続財産が不動産だけで現金がなければ、相続税を支払うときの納税資金がありません。売却して資金を作るとなると、時間がかかりますし、売り急ぐと安く買いたたかれてしまいます。へたをすると、税金を支払ったら手元にはほとんどお金が残らなかったという結果にもなりかねません。
それでも、すぐに売れるような不動産であれば幸運です。相続税の納税期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月です。葬儀や法要を営み、お墓はどうする仏壇はどうする、遺品の片付けはどうすると追われていると、10ヶ月はあっという間です。
以前は、不動産そのもので相続税を支払う「物納」という方法も選択肢の一つでしたが、近年では物納はなかなか認められません。買い手がつかないような問題のある物件の場合、相続人自身が借金をしたり、自分の自宅を売って納税資金をつくらなくてはいけなくなる事態も考えられます。そして、換金しづらい不動産の代表的な例の一つが底地(貸地)なのです。
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