地主とは
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相続コンサルタント会社ニーズ・プラス コラム担当の野呂です。
第二次世界大戦前、国民のほとんどは不動産を持たず、ひと握りの富裕層が所有している土地を借りて暮らしていました。その「ひと握りの富裕層」が、地主さんにあたります。戦前と現代とでは、地主さんを取り巻く環境は様変わりしましたが、現代の地主さんの実態はどうなっているのでしょうか。
今回は、地主さんの定義についてご説明していきます。
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地主さんの定義と性格
地主さんは、正式には底地権者(そこちけんじゃ)といい、土地や農地などを数多く所有し、借地人さんに土地を貸している人を指します。
以前は借地人さんからの地代収入のみで暮らしている方が多かったのですが、現代ではお勤めに出られているなど、堅実に暮らしている地主さんがほとんどです。先祖から引き継いだ⼟地(不動産)を守り、なおかつ次の世代の引き継ぐことを大切に考えている方が多いようです。
また以前は、借地人さんの相談に乗るなど、地域社会の発展に貢献してこられた方も大勢いらっしゃいました。
マンションやビルが建設され、都市化が進んだ現在でも、地元の名士として地域のお祭りや町内会の活動に精を出すなど、大きな存在感を保ち続けている方もいます。
ちなみに、およそ1,000坪以上の土地を所有している地主さんを「大地主さん」などと呼びます。
土地に対する認識の変化
戦前、土地は今ほど価値のあるものとは認識されていませんでした。地主さんも、所有している土地を全て有効に活用できないので、土地を持たない人(借地人)に「空いている土地を使わせてほしい」とお願いされれば、気軽に貸していました。
ところが、戦後の高度経済成長に伴い、地価は右肩上がりの高騰をみせるようになり、それまで価値のないものと考えられていた土地に、資産価値があると捉えられるようになります。
土地への認識の変化に伴い、地主さんと借地人さんの関係にも微妙な変化が表れるようになりました。
地主さんと借地⼈さんとの関係性の変化
昭和30年代頃まで、地主さんと借地⼈さんは⾮常に近い関係にありました。
双方ともご近所に住んでいることがほとんどで、地代の⽀払いで毎⽉顔を合わせるのに加え、お盆やお正⽉には、お中元やお歳暮のやりとりがあったほどです。
しかし、昭和50年あたりには、お盆やお正月に挨拶に行くだけの関係に変化していき、さらに時代が進むと、所有する土地から離れて暮らす地主さんも増え、めったに顔を合わせることがなくなってしまいました。
関係性が希薄になった原因として、銀行システムの発展に伴って、お金のやり取りを対面ではなく銀行振込や口座振替でできるようになったからではないかと考えられています。そのため、以前のように地主さんは持っている土地の近くに住む必要がなくなっていったのです。
お金のやり取りが便利になった一方で、地主さんと借地人さんが対面する機会はぐっと減り、その結果「地代の値上げ」などの交渉事が非常に難しくなってしまいました。
このような時代の推移から、地主さんと借地人さんが抱えるトラブルは近年複雑化する傾向にあります。
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