借地人さん必見!借地権相続のスムーズな手順
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相続コンサルタント会社 ニーズ・プラスコラム担当の野呂です。
突然ですが借地人さんは、借地権の相続についてどのくらいご存知でしょうか。
借地権は、他の不動産と同様に、財産として相続可能な権利で、遺産分割協議の対象になるものです。借地権の相続対象は、建物だけでなく建物が建っている借地も含まれており、借地人さんが死亡すると、借地人さんの親族が借地権と借地契約の内容をそのまま引き継げます。
以前、「底地相続で予想されるトラブル」で地主さんに相続が発生した場合についてご紹介しましたが、今回は「借地人さんの一族に相続が発生した場合」について解説いたします。
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相続税における借地権の評価額
まず、借地の相続が発生したら、10ヶ月以内に相続税を現金で支払わなければなりません。借地権も財産の一つなので、相続税の課税対象となります。
借地権にかかる相続税を算出するとき、借地権割合(※)を基準とします。
借地権割合は、地域により異なりますが、更地価格の50%~70%程度とされています。都心部の商業地など地価の高い地域では90%、東京23区内の住宅地の場合、60%~70%で設定されているところがほとんどです。それ以外の地域では、借地権の評価がその土地の取引価格とほぼ同じというところもあるようです。
借地権の評価額は、相続税評価額(路線価)に借地権割合を掛けた額です。例えば、更地の値段が1,000万円、借地権割合が70%の地域があるとします。この場合、次の式で借地権の評価額を算出できます。
1,000万円(更地の値段)×0.7(借地権割合が70%)=700万円(借地権の評価額)
※借地権割合(しゃくちけんわりあい):更地の価格に対して、借地権がどのくらいの割合を占めているかを国税庁が定めたもので、借地権を相続したり贈与を受けたりする際の基準として用いられる。
相続が発生したら、地主さんとの関係維持に努めよう
長期にわたる借地契約の途中で借地人さんが死亡した場合、借地契約の内容はそのまま相続人に引き継がれます。相続によって借地権が借地人さんの子供やほかの親族などに移転する場合には、地主さんの承諾や、名義書換料の支払いは必要ありません。
しかし、土地賃貸借契約は信頼関係のうえに成り立っている面も大きいので、相続人は借地権を相続したら、「土地の賃借権を相続により取得した」という事実を地主さんに必ず伝えましょう。
相続が発生したら「準確定申告」を行いましょう
準確定申告とは、確定申告の対象だった人物が死亡した年の1月1日から死亡した日までの所得を、法定相続人が代わりに確定申告するものです。
準確定申告は、相続が発生した日(被相続人が亡くなった日)の翌日から4か月以内に、故人の居住地を管轄する税務署で行わなければなりません。また、準確定申告で発生した所得税を支払うのも相続人です。相続人が複数人いる場合は、相続分に応じて算出された所得税額を相続人数で割り振って納めます。
なお、所得税として納めた税金は、相続財産から債務として控除されます。準確定申告は、通常の確定申告とは申告期限が異なりますので、注意が必要です。また、被相続人が1月1日から3月15日までに死亡した場合、相続人は前年分の準確定申告も行う義務があります。
被相続人の準確定申告が必要となるケースに関しては、国税庁のホームページをご参照いただくか、お住まいの地域の国税局または税務署にお尋ねください。
参考記事:借地権とは?
借地権の相続で困ったら、専門家に相談しましょう
借地権にまつわるトラブルの1つとして、相続が上手くいかずに地代を滞納してしまうという問題があります。借地人さんが亡くなっても、借地人さんのご家族の誰かが地代を支払い続けなければ、地代未払いで借地契約を解除されてしまいます。
相続人同士の意見がなかなかまとまらないなど、借地権の相続で問題解決を図りたいときは、底地や借地権に精通した専門家に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。そうすることで、借地権の相続にまつわる問題を円満に解決できるでしょう。
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