「売れない土地」どうしたら手放せる?売れない理由と売却方法を徹底解説!
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土地の価値は、購入者が決めるものです。例えば、崖っぷちにある土地は不便と感じる人がいる一方、眺望を重視する人にとっては大変価値があるものとなるでしょう。
とはいえ、一般的には「売れる土地」「売れない土地」というものがどうしても出てきます。人気エリアにある土地はすぐに買い手が付きますが、売りに出してもなかなか売れず困っているという話もよく聞きます。
土地を保有していると固定資産税などの税金の支払いや、土地管理の手間がかかります。それを考えると、安値でも売ってしまった方がいいこともあるでしょう。
市街地にある土地は、「何をしても売れない」ということはまずありません。
今回は、売れない土地はどうやったら売却できるのか、ご説明します。
【参考記事】
都会なのに「思うようには売れない土地」再建築不可物件の土地活用方法
目次
「売れない」といわれるのはどんな土地?
売れない土地の裏返しが「売れる土地」です。ここでは、どんな土地が売りにくいのか、見ていきます。
1.地形(じがた)が悪い
・旗竿地
・三角地
・いびつな形の土地
特殊な形の家もありますが、基本的には住宅は四角い形をしています。そのため、土地の形がなるべく正方形や長方形に近い方が、購入する側もしくは販売する不動産業者には好まれます。
上記のように三角や台形などいびつな形だと、家を建てるときに使えない部分が多く出てしまいます。広い土地であれば、庭にしたり、駐車場にしたりと利用できますが、家がギリギリ建つ大きさだと使えない部分が多いのは大きなデメリットです。
土地の売買の際は坪単価で計算します。使えない部分の土地の費用が無駄になってしまうので購入の足が遠のきます。
2.交通の便が悪い
・ファミリー向けの広さでありながら駅や学校が遠い、駅への交通手段がない
マンションを選ぶ人が増えている中、住宅用地を探している人は、夫婦かファミリーが大半です。そうなると学校が近くにある、駅が近いなど、通勤通学に便利な場所が好まれます。
店舗用地としても、人が多い場所が選ばれるので、駅前や大きな道路沿いならいいのですが、そうでないと買い手が付きにくくなります。
3.日当たりが悪い
・隣に大きなビルがある
・間口以外の三方向全てに建物が建っている
近隣にマンションやアパート、ビルなどがあると部屋に日が差さなくなります。大きな建物でなくとも、日が差し込む方向に住宅があると昼間でも電気をつけないと暮らせません。それだけでなく、日当たりが悪いと湿気たり、カビが生えたりとメンテナンス費用がかかってしまいます。
4.現在の建築基準法を満たしていない
・袋地で道路に面していない
・車が通れない幅の道にしか接していない
・私道部分が建築基準法を満たしていない
・接している間口が2m以下
・建ぺい率をオーバーしている
現在の建築基準法を満たしていない土地には、新しい建物を建てられません。
東京の下町などの住宅密集地で問題になることが多いのは接道義務です。建築基準法で定められている「道路」は、幅員(道路の幅)が4m以上ある道のことを指します。接道義務とは、建物がその「道路」に2m以上接していなければならないというものです。それを満たしていないと再建築不可の土地ということになります。
接する道路は公道でも私道でも構わないのですが、私道の場合はきちんと申請をし、基準を満たさなければなりません。
また、現在立っている建物が建ぺい率をオーバーしている場合、再建築不可ではありませんが、取り壊して建て替えるためには、法律を満たす広さに縮小する必要があります。大きな建物であったなら問題ありませんが、元々狭小住宅が建っていたのなら、人が住めないような小さな家しか建てられないことになってしまいます。
【参考記事】
リフォームで再生できる!再建築不可能物件とは
デメリットがあっても立地が良く、購入に踏み切る場合もあるかと思いますが、再建築不可の土地は通常、ローンを受け付けてもらえません。リフォームでさえ審査を通らないことがあるので、資金に余裕がない方は注意が必要です。
5.周辺環境に問題
・隣家と仲が悪く、測量ができない(境界確認書がない)
・反社会的勢力の事務所が近くにある
・近所にトラブルメーカーの人がいる
・隣家が放置された空き家(異臭、害虫、火災、倒壊の恐れ)
その土地自体に空き家が建っていたとしても取り壊せばいいので、さほど問題にはなりません。
しかし、隣家が空き家だと少し厄介です。景観が損なわれても勝手に取り壊すわけにはいかず、雑草が生い茂れば害虫や不法投棄、異臭、火災の危険性も出てきます。
また、近所に騒音を立てる、ごみをため込むなど、トラブルを起こしがちな人が住んでいると、購入希望者に伝えないわけにはいかないため、売却につながらないことも多いでしょう。隠して売却すると後にトラブルになるかもしれません。買い手にも仲介業者にもきちんと話すことが大切です。
隣家と仲が悪い場合も問題です。土地を売るためには境界確認書が必要で、作成するためには隣家の協力がなくてはならないからです。日頃から関係を良好に保つのも大事なことなのです。
【参考記事】
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6.面積に問題あり
・狭小住宅しか建てられないような面積
・住宅地にしては広すぎるが、分筆しにくい
住宅なら15坪(60㎡)程度、店舗用なら30坪(100㎡)程度が売りやすい広さです。
例えば、住宅地のど真ん中に住宅としては広めの100坪の土地があり、土地を分ける分筆もしにくいと買い手が付きにくくなります。価格を下げれば購入者は必ず現れますが、周辺相場の坪単価では売れないことが多いでしょう。
反対に15坪以下で現在の建築基準法下だと非常に小さな建物しか建てられないような土地は都心でない限りは買い手が付きにくくなります。
7.地質に問題あり
・化学工場跡地など、土地改良しないと使えない土地
・高低差のある土地
化学工場跡で化学物質や重金属などによる土壌汚染があると、店舗や住宅を建てる前に土地の改良工事をしなければなりません。汚染の度合いにもよりますが、何メートルも掘り下げて土を入れ替える必要があることもあります。その場合多額の費用がかかります。
また、高低差がある土地も売りにくい土地の一つです。接する道路より高くなっているならまだいいのですが、下がっていると問題になるケースがあります。目の前の道路が2階の高さにあり、1階が半分地下のような状態にするしかない土地だと、建築費用がかさみ、1階の日当たりも悪くなってしまうからです。
8.底地権・借地権の問題がある
地主さんが借地人さんに貸している土地を売りたいときは、借地人さんに買い取ってもらうか、底地のみを第三者に売却することになります。
一番高値で売れる相手は借地人さんです。住み慣れた愛着のある土地が自分のものになるのですから、借地人にとっても悪い話ではないのです。
底地の評価額は更地価格のの3割~4割ほど。しかし借地権がついた底地は、借地人以外にはとてもその価格では売れず、半値でも難しいかもしれません。
第三者がが買ってもすぐに自分の自由にできるわけではないのですから当然でしょう。
売りにくい土地を手放す10の方法
市街地にある土地であれば、どんな土地でも全く売れないということはありません。使う予定のない土地ならば、税金だけ払い続け何もしないのは非常にもったいないことです。
希望の価格ではなかったとしても手放した方が得策であることの方が多いのです。いずれ売却するのなら税金の支払いが少ないうちに売ってしまった方が余計な出費を抑えられます。需要がありそうなら駐車場やトランクルームとして土地活用するのも良い方法です。
売れる土地の条件というと以下のようなものです。当てはまるものが少ないほど売りにくい土地、ということになります。
・周辺に商店街やショッピングモール、病院があるなど、生活しやすい
・駅に近く通勤通学に便利
・人気学区、人気路線
・土地が正方形に近い形
・日当たりが良い
・車の往来に十分な道幅(幅員4m以上)がある
・適度な広さである
・住宅がすでに建っているが、築年数が浅い
では、売りにくい土地はどうしたら少しでも高く売ることができるのでしょうか?
方法1:見栄えをよくする
土地購入を希望している方は、現地に赴き、実際の周辺環境や土地の状況を確認します。そんな時に雑草が茂っていたり、水たまりができていたりすると、印象が悪くなってしまいます。
整地工事を施し、雑草が生えないように処理、化粧砂を撒くとパッと見た時の印象が大幅に向上します。多少のデメリットがあったとしても、購入したらすぐに使える状態だと気持ちが傾くものです。
また、土壌汚染の可能性がある土地は、土壌汚染調査を実施するといいでしょう。
調査の結果、土壌汚染のリスクを排除できれば、買い手の不安も軽減し土地を売却しやすくなります。
方法2:隣家に相談する
売れない土地を手放す方法として、まず隣家に打診するのが基本です。特に狭く、地形が悪い土地の場合、買い手を探すのに苦労します。それは隣家にとっても同じこと。隣家に土地の一部を譲ってもらえないか、それとなく話をしてみましょう。
特に商業地域の土地は需要が高い傾向にあるので積極的に打診してみることをおすすめします。すぐにとはいかなくても、検討してくれるかもしれません。いつかは売ろうと思っているけれど急を要していないのなら、早めに隣家の方に相談し、タイミングを見て一緒に売出したり、土地の一部を交換したりと対策を取りましょう。
方法3:建築基準法を満たすよう改修工事、もしくはリフォームする
現在の建築基準法を満たしていない場合は、その部分を解消しなければ売却は難しいかもしれません。なぜかというと、購入者のローンが通りにくいからです。
また、建ぺい率や接道義務の問題があり、現在古い建物が建っているのならば、取り壊しは用途が決まってからにします。リフォームする分には現在の建物の面積のまま、建物を新築同様ににできるからです。都心部の狭小住宅は再建築不可でも立地が良ければ需要があります。リフォームし賃貸するのも良いでしょう。
しかし、車が入れない場所だと手運びで資材を入れなければならないので、建築費が高くなります。また隣家との隙間が狭いと手で解体するので同じく余計に費用がかかります。
忘れてはならないのは、ローンの申請が通りにくいこと。資金は事前に準備したほうが安心です。
また、近隣と話し合い、「一緒に売却する」「一部譲ってもらう」など、協力できないか、確認しましょう。高齢者のみで住んでいるのなら、相続前に処分を検討するかもしれないので、頃合いをみて話してみてください。近隣の方と協力し再建築できるようにすれば、土地の価値が上がり、皆にとって良い結果になるはずです。
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方法4:値段を下げてみる
どうしても早く土地を手放したい場合は、現在希望している売却価格(売出し価格)を下げてみるのも一つの方法です。
そもそも土地がなかなか売れないのは、設定している土地の値段が高すぎる可能性もあります。成約する価格は、あくまで売り手と買い手の需給がマッチした価格となります。土地を売り出したものの、買い手がなかなかつかない場合は、売り出し価格から1割下げてみるなど、値下げを検討してみてください。
方法5:不動産会社を変える
土地が売れない場合は、現在契約している不動産会社を変えてみるのもいいでしょう。
不動産会社に土地売買の仲介依頼をする場合、仲介の契約(媒介契約といいます)をむすびます。
契約の形態には以下の3つの種類があります。
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
土地の売却は1社限定に依頼するタイプ。また、売り手が自ら買い手を見つけてくることもできません。(自己発見取引が禁止)
土地の売却が1社限定の点で専属専任媒介契約と同じです。ただし、専任媒介契約は売り手が自ら買い手を見つけてくることができます。(自己発見取引が可能)
土地の売却は1社に限らず、複数の不動産会社と可能です。また、自己発見取引も可能です。
いままで一般媒介で売れない場合は専任媒介へ切り替え、専任媒介・専属専任媒介で売れない場合は一般媒介へ切り替えてみるのもいいでしょう。
ただし、契約期間内に売り手の都合で契約を解除すると違約金が生じます。契約期間が切り替わるタイミングを見計らって、上記の方法を検討してみてください。
方法6:「買取」での売却を検討する
不動産会社に仲介で土地を売る方法以外に、「買取」で売却するという方法もあります。「買取」とは、転売を目的とする不動産会社に土地を直接買取してもらう売却方法です。
土地をすぐに売却できるメリットがある一方で、買取価格は仲介より6割~8割の価格で手放すのが一般的です。
安くても、できるだけ早く土地を手放したい場合、まずは専門の買取業者に査定を受けてみましょう。
方法7:空き家バンクに登録してみる
売れない土地を売却するルートとして、空き家バンクに登録してみるのもいいでしょう。
空き家バンクとは、自治体が管理している不動産情報サイトです。名称は「空き家」となっていますが、土地でも登録可能なところもあります。
空き家バンクの登録は、所轄の各市町村を通じて行います。空き家バンクに登録されている物件には、不動産会社が取り扱わない物件もあるのが特徴です。
購買意欲の高い買い手が見つかる可能性もあるので、ぜひ空き家バンクにも登録しておきましょう。
ただし、売買が成約した場合は仲介業務を委託されている地元の不動産業者に仲介手数料を払う必要があります。また、別の不動産会社と専任媒介契約している期間中は、空き家バンクを利用できないので注意しましょう。
方法8:自治体に売却する
自治体には、公有地拡大推進法(公有地の拡大の推進に関する法律)という自治体に土地を売る制度が用意されています。
自治体の窓口にいくと、公有地拡大推進法の土地買取申出書があり、申し出を行うと自治体内の各部署で必要な土地かどうか検討されます。そこで自治体が必要な土地と判断すれば、有償で土地を買取りするのが一連の流れです。
急がず売却を継続した場合、自治体への売却を視野に入れて、申し出をしておくのもいいでしょう。
方法9:土地の買取業者に買い取ってもらう
土地を売却するのは難しいがどうしても土地を処分したい場合、有料で土地の買取業者に引き取ってもらう方法もあります。
まずは土地の買取業者に見積りを取り、問題なければ「お金を払って」土地を処分します。お金はかかりますが、処分後は一切管理する手間、費用が発生しないので、とにかく土地を手放したい地主さんは検討してもいいでしょう。
ただし、最近では訪問や電話による「土地の買取り勧誘」する業者もいるので悪徳業者にはくれぐれも注意してください。
【参考記事】
原野商法の二次被害に関する相談が急増
方法10:寄付や贈与(譲渡)で手放す
最後に寄付や贈与で土地を手放す方法についても解説します。
土地の寄付先は主に以下3つが挙げられます。
- 自治体
- 個人(隣地の所有者など)
- 法人
自治体への寄付は、土地にかかる税金(固定資産税)が自治体の税収となるため、実際には難しいかもしれません。まずは所轄の自治体の担当に相談してみてください。
個人への寄付は贈与の対象となるので贈与税が発生する点、注意しましょう。
法人への寄付は、寄付の相手が営利法人の場合に「寄付した側に譲渡所得税が課される」可能性がありますので、所轄の税務署に確認してください。(NPO法人の場合は免除)
【参考記事】
公益法人等に財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の特例のあらまし
これから買うなら「売れる土地か」を意識しよう
これから家を建てようと思っているなら、そこが売れる土地なのかを意識しましょう。売れる土地というのは、住みやすい場所・土地であるということです。一般的にみるとデメリットでも、ご自身にとってはさほど問題ないこともあります。
ご自身にとってのメリットがデメリットを上回るようなら、わかった上で買うのもいいでしょう。購入の段階で、一般的には売りにくい土地であると知っていれば、値引き交渉もできるかもしれません。
ただ、よく理解せずに買ってしまって後から困ることがないように気を付けなければなりません。一生住むつもりでも状況が変わって売却することもあります。その段になって、売ることができない土地だったら、新たな地に移る資金を用意できなくなってしまうのです。
そのようなトラブルを防ぐためにも、きちんとした売り主、施工会社を選ぶことが大切です。デメリットを隠して売買しようとしたり、質問に曖昧に答えたりするようなら、他業者に仲介してもらった方がいいかもしれません。
またその土地が以前、どのように使われていたか調べるのは個人でも可能です。図書館で古い住宅地図を閲覧できますし、土地を管轄する法務局に行けば以前の謄本が見られます。
近隣に長く住む知人がいるのなら聞いてみるのも非常にいいことです。「以前は化学工場だった」「ごみの不法投棄が問題になっていた」「田や沼地だった」など、地元では皆が当然のように知っていることも多いのです。
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