相続した土地を分ける「分筆」とは
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相続コンサルタント会社ニーズ・プラス コラム編集部です。
「1つの土地を2人の子どもに相続させたい」「相続で手に入れた土地が広すぎるので一部を売りに出したい」そう考えたことはありませんか?
そんなときに役立つのが、土地を分ける手続き「分筆」です。
今回は、土地活用を考えるうえでぜひ知っておきたい分筆についてご紹介します。
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目次
「分筆」で押さえておきたい基本的知識
登記簿上の土地は「筆」という単位で数える
土地は「筆」という単位を使って「1筆」「2筆」と数えます。登記簿上での土地1区画の単位が「1筆」です。読み方は「いっぴつ」と「ひとふで」のどちらでも構いませんが、不動産業種関係者の間では「ひとふで」と呼ぶ方が好まれるようです。
土地の数え方はなぜ「筆」になった?
登記簿上の土地を「筆」という単位で数える由来ははっきりしていません。一説では、1つの土地は周囲をなぞって「一筆書き」ができるので「1筆」と呼ばれるようになったとも言われています。また、明治時代、土地の所在や所有者などの情報を記していた検地帳に、それらの情報を一行(一筆)で書いていたことに由来するという説もあります。
土地を法律上で分けるのが「分筆」1つにするのが「合筆」
分筆(ぶんぴつ)とは、1筆の土地を不動産登記簿上で2筆以上に分けることです。土地は1筆ごとに地番が振られており、「○○町1番」という土地を2つに分筆すると「○○町1番1」「○○町1番2」のように、新たな地番が割り当てられます。
分筆の反対は、隣り合った2筆以上の土地を1筆にまとめて登記し直す合筆(がっぴつ・ごうひつ)です。
土地活用にもつながる!分筆のメリット4つ
分筆によって土地を分けると、どんなメリットがあるのでしょうか。
その1:土地を共有せずに済む
1筆の土地を複数人で同時に所有すると、共有状態になります。土地を共有すると、使い勝手が悪く、処分するのにも所有者全員の同意が必要になるなど、きわめて不便な状態です。このような土地を分筆すると、1筆ずつの面積は小さくなりますが、所有者全員がそれぞれの土地を単独で所有できます。
その2:土地を売却しやすくなる
広すぎる土地を売りに出しても、買い手がつきにくいものです。例えば宅地としての売却を想定している土地であれば「100坪で1筆の土地を、50坪ずつ2筆に分ける」など、分筆によって需要の多い面積の土地にすれば、売却に有利になる場合があります。
その3:土地の一部分の地目を変えられる
地目(土地の用途)は、1筆の土地につき1つしか登記できません。分筆によって1筆の土地を複数に分ければ、分けた土地を、もとの土地とは違う地目で使用できるようになります。
例えば、庭付きの戸建てを相続によって手に入れたとしましょう。「家には住みたいが、庭は不要なので、月極め駐車場にして活用したい」と考えたとします。この場合、土地の地目は「宅地」ですので、そのままでは敷地の一部を駐車場にすることはできません。庭の部分を分筆し、その土地の地目を「雑種地」に変更することで、駐車場を作れるようになります。
その4:固定資産税を安くできる
固定資産税の評価額を決める要素の1つとして、「道路に面しているかどうか」が挙げられます。そこで、分筆によって道路に面していない土地を作り出せば、固定資産税が安く抑えられる場合があるのです。
例えば、道路に面している1筆の土地を分筆して、「道路に面する土地A」と「道路に面さない土地B」に分けたとしましょう。Bの評価額が下がることで、土地全体としての評価額が抑えられます。
土地の分筆で注意したいポイント
「どんな形に分けるか」「どこで分けるか」はよく考えてから
分筆で土地の大きさや形状が変わると、使い勝手や、土地の価値が大きく変化します。分筆で失敗しないためには、この点を十分に意識する必要があります。
例えば、上の事例の場合、「土地B」は建築基準法上の道路に面していないため、建物を建てることはできません。また、分筆によって土地の面積をあまりにも小さくしてしまうと、将来、売却に苦労する可能性があります。
土地を公平に所有するために分筆するなら分け方を工夫する
「親から相続した土地を、兄弟間で半分ずつ所有するために分筆したい」というのはよくある相談です。この場合、単純に面積を半分に分けてしまうと、土地の価値をめぐってトラブルになることがあります。
上述の通り、分筆で作り出される新しい土地は、分け方によって価値が大きく変わります。道路に接するかどうかだけではなく、日当たりや隣家の騒音も問題になるでしょう。公平に分筆したいなら、「条件の悪い土地は、その分、面積を増やす」などの工夫が必要になることもあります。
土地活用のために分筆も視野に入れよう
土地を分筆することによって、新しい価値が生まれ、土地活用への道が開ける場合があります。土地の分筆には、測量や登記などの手間と費用がかかるので、分筆することで得られるメリットと、コストを比較して、分筆すべきかを決定するとよいでしょう。
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